Retinol Burn経験談

Chemistry

最近経験した肌荒れについて、その経験談をまとめておきたいと思います。

今回、どんな肌荒れを体験したかというと、Retunol Burnというものです。少し背景を説明します。

全体のあらすじ

今、アメリカでは夏休みシーズン。July 4thの独立記念日あたりは、日本でいうお盆みたいな感じで、少し長めに休暇を取って、旅行したり、実家に帰省したりする人が多いです。ということで、私たちも2週間ほど休暇を取って、相方の実家のあるウィスコンシンまで、猫ちゃんも引き連れて、Road tripすることにしました。Road trip、片道4日かけて、CA->WIへ車で向かったのですが、その間、色々な国立公園にも立ち寄って、すごく楽しかったので、その旅行録はまた後日、書こうと思います。さて、旅行でいつもやらかしてしまうのが、忘れ物です。そして、今回、私が忘れてしまったのが、毎晩シャワーを浴びた後に、顔につけていた保湿クリーム。普段使っている保湿クリームは、いつも日本に帰国した際に買いだめているもので、化粧水・乳液・美容液などが全部混ざったホールインワンのクリームを使っています。面倒くさがりで、化粧もまともにしない私にとって、一日一回塗りさえすれば、お肌の質が保たれるこのクリームは重宝させてもらっています。が、それを忘れてしまいました。

小さいことから、肌が綺麗と褒められてて、それなりにお肌の強さには自信があったので、別に2週間ぐらい、クリームがなくても大丈夫かなと最初はタカをくくってました。ですが、私の肌の強さも加齢には敵わなかったのか、4、5日ほどすると、肌が乾燥しているのが実感できるようになってきました。Californiaから4日かけてたどり着いたWisconsinに1週間ほど滞在している間に、相方の実家の近くにあるデパートに行く用事があって、そこの化粧品売り場でたまたま見かけた保湿クリームを買って使うことにしました。その保湿クリームがRetinolというものです。

特に気をつけて選ぶこともせず、ただ目についただけで買ってみたこのクリームをつけて、1日ほどしたあたりから、顔に異常が発生して来ました。ほっぺたを中心に、顔全体が赤くなって、毛穴という毛穴がずべて腫れて、プツプツ状態に。しかも、かゆいから、触ってしいると、皮が取れたり、ニキビを潰した時に出てくるような液体が出て来たり。。。完全に異常事態です。色々と原因探って、ググっていたら、出て来たのが、Retinol Burn。どうやら、このRetinolというクリーム、初めて使う人には要注意の品物で、名前の通り、火傷をしたような症状が出てしまうことがよくあるそうです。

生々しい写真ですみません(汗)顔写真は、左から、Retinolを塗った日から3日目、7日目、12日目です。2週間ほどして、無事、元の肌に戻りました。

解決編

原因は多分このRetinolクリームだろうと同定してから、どうやったら、肌荒れを抑えて、元の肌に戻せるかのGoogle検索祭りです。こちらで見つけたサイトのアドバイスは結構役にたちました。まずは、薦められていたCortizoneクリームを薬局で購入。Cortizoneの主成分はcortisoneというステロイドの一種で、炎症を抑えてくれるものです。これはどこの薬局にも売っているクリームで、お手軽・お手頃価格で手に入ります。炎症関連ものはなんでもそうですが、触らずに放置するのがまずは一番大事だと思います。でも、かゆいから、どうしてもかいてしまう。そんな時に、このcortizoneがすごく役に立ちます。顔のかゆみをだいぶん抑えてくれました。

次に使ったのが、Aquaphorという、これも薬局でお手軽に手に入る保湿クリームです。主成分がpetrolatum(ワセリン)で、油性度の高い化合物の混合物で、肌をコーティングすることで、水分の蒸発を防いでくれるようです。こちらにメカニズムがわかりやすく図解されています。Cortizoneを塗ってから、Aquaphorを塗ることで、Cortizoneの蒸発も防いで、しっかり肌にしみてくれるようにしてくれてたのかもしれません。成分が油質なので、結構顔が脂っこくなってしまいましたが、肌荒れ解消のためなら数日ぐらい我慢します!

CortizoneとAquaphorの併用を5日ほど続けて、だいぶん肌の赤みが消えて来て(顔写真真ん中)、ぷつぷつも少しづつ小さくなっていきました。その頃にはようやく、帰りのRoad tripを終えて、Californiaにある家にたどり着き、普段からお世話になっている日本製のオールインワンクリームにありつくことができました涙 家には、普段使っているオールインワンの保湿クリーム以外にも、以前日焼けですごい肌荒れを起こしてしまった時に買ったCOOLAというアロエクリームとEucerinから出ているRepair creamがあるので、そちらを使い始めました。EucerinのRepair creamの詳細はこちらにあります。このクリームは保湿と、角質除去をしてくれるみたいですね。普段使っている保湿クリームたちを使い始めると、みるみる間にぷつぷつも消えていって、元の肌に戻って来ました(感動の涙)

Retinolって何者???

さて、こんなに私を悩ませたRetinolというクリーム、一体何者なんでしょう?

RetinolはビタミンAの一種で、今回私が使ったクリームには、retinyl palmitateというエステルの形で含まれているようですね。エステルという形にすることで、油性が高くなって、肌からの吸収が良くなって、肌の下の細胞まで行き届きやすくなります。このエステルが体内で加水分解されて、活性化合物のRetinolになると思われます。

Retinolの反応機構はこちらの論文に詳しく書かれているのですが、肌の表面から、どんどん真皮まで浸透していって、細胞内の金属触媒を阻害して、コラーゲンの生産を促進する作用があるようですね。これを聞くと、アンチエイジングケアに使える気がします。Retinolの構造を見てみても、アルキンだらけで、いかにも金属がくっつきそうな構造してますね笑 その他にも、脂質合成を行なっている酵素を阻害して、脂腺細胞の分化や分裂を止める作用もあるようで、これが肌の乾燥や、炎症につながってしまうようです。

今回の経験から、自分の肌が、思っていたよりも弱いこと、もっと大事にメンテナンスした方がいいと痛感しました。あと、お店に売ってあるクリームを、中身もよく知らずに、なんでも使わないこと。これから、ちゃんと調べて、購入するか吟味します。いい経験でした。

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